2011.12.03.Sat
写真集撮影第4弾「たまの朧」を行いました。遂に撮影も最後。



まずは事前準備の様子から。
和紙の照明づくり。膨らませた風船にボンドを溶かした水に浸した和紙をひたすら重ねていきます。
和紙によって色が違ったり原料の楮が混ざってたり様々。別名風船爆弾。
完全に乾いた後に風船を慎重に割ればはい、できあがり。
そのままだと楕円形になるので綺麗な球になるよう、下の部分をカットします。
あとは中に光源を入れるのですが、私もアシスタントの鉄も文系専攻。→配線わからないよー。
というわけで、配線はあきらめて乾電池式のライトを使用。
しかしいざ撮影してみると配線がないためとってもきれいなのです。災い転じて福となす。



今回壁紙は前面に和歌を書いた障子を貼りました。和歌は国語便覧参照。
和歌だけでなく平家物語や源氏物語、枕草子、土佐日記などとりあえず便覧にのっているものは書きました。
途中狩りの句が出てくると「狩りにいこうぜ」と書いたり、
和歌をもじって「宝石よりも俺が一番」的なことを書いたり色々遊びすぎた。
実際に貼ってみると最初の方に書いたもののバランスの悪さがひどい。荒い。



そしてサムネにもした一句。通称「厠の句」。
私のトイレに行きたい切なる思いが込められたもの。

恋しけば いきたひ思ひ 秘めやらむ 終われぞ走る 厠かな  しん


さて、ここからは真面目に。
今回のメイク。


妖っぽさを出したかったため赤を強く入れています。
あとはアイホールにシルバーを塗ったのですが、写真にするととんでしまうことを考え上からブルーを入れました。
このブルーがいい引き締めの色になりました。
あとは肌は白く色を抜いて。魔女やドクサの塗ったくりでもなく、ポウリの透明感でもなく、白粉のような白さ。
よってチャコットの白色を顔から首までに叩いています。



衣装。
桜柄の着物は自前。
襟や帯、腰刀、着付けに必要な補正やアクセサリー、そして何よりも色打掛。
これらはすべてJUSEN美容室様のご提供です。本当にありがとうございました。
色や柄は山口先生のアドバイスで決定しました。とても良い配色でした。

今回も悪天候。ということで急遽クリップライトに追加。上から2つ、レフ板に向けて2つ。


とんでもない方法で使用しています。ここ、鉄さんの本気。
あとは撮る位置に合わせて4つのライトをそれぞれつけたり消したり。
構図は下から上を抜くと障子がはれていない部分が見えるため、上から下の構図が多いです。
イメージは大和絵巻に出てくるような、打掛を後ろに広げたもの。
それに合わせて着物の広げ方や髪の毛の位置など愛菜さんに調整してもらいました。
あとは送風機(簡単にいえば扇風機)を使用して3種類の和紙を上から散らす。
連写でとっているのですが、何回もテイクを出してそのたびに拾っては上に持っていきお掃除でした。
バラエティ番組の紙吹雪降らすやつ欲しいね。ね。という会話を上組(愛菜さんと私)で繰り広げる。




そして準備段階では成功か失敗か予測不可能だった和紙の照明を使った撮影。
写真は上のクリップライトを1つつけた状態。
ここから和紙の方をつけて「照明消しまーす」と室内の照明をすべて消すと・・・



思わずスタッフから「おおー!」と歓声があがるほど、幻想的な空間となりました。
乾電池のライト+和紙で覆っているということから、暗くならないか心配でしたが光量は十分。
和紙のそれぞれの質感が出て、さらに陰と陽のしっとりとした波が現実離れしていました。


事前準備から当日の準備まですごく時間と苦労がかかった撮影でした。
撮影時間はとても短かったですが、やりたいことをぎゅっと詰め込み無駄なものなく撮影しました。
「Transit」の最後に相応しい鮮やかな撮影だったと思います。

モデルの古季キョーコ様、ヘアメイクと衣装をご協力していただいたJUSEN美容室の皆様、
BAとしてご協力いただきました結城愛菜様、アシスタントの鉄。
お疲れ様でした。ありがとうございます。







2011.10.22.Sat
レポートがかなり遅くなりましたが、写真集撮影第3弾「transit」を行いました。



いきなりですがモデルのリロイもん、パック中。パックはBAスタッフの結城愛菜さんが施術。



今まで使った小道具、ポウリの羽や小瓶、魔女のドレス、ドクサのアクセサリー、
VivienneWestwoodの服(アシスタント鉄私物)をちりばめる。
そしてトランクの中には「Transit」の登場人物をイメージした花束4つ。
フラワーショップ花朝様にすべておまかせして作っていただきました。



4人で話題になったオクラ?オクラかな。オクラじゃね?オクラだろ。
それにしてもここまで作りこんでいただけるのか、と感嘆の声があがった花束。素晴らしすぎた。


今回のメイク。そして衣装その1・・・乳T。


メイクは今回現実味のある撮影だったのでナチュラルメイクにするはずでした。
しかしデザインメイクにしないと衣装に負けるよね、ということに。
さらに今までの奇抜メイク(特にドクサ)で感覚が麻痺したのかナチュラルは物足りない。
いや、これくらいならナチュラルだろう。とスタッフ一同(ヘアメイク担当那須さん含)心が一つになり、
目で紅葉を表しました。




そして照明補助中の愛菜さんとドクサの撮影での教訓を生かし、黒い物体になった鉄さん。
これ、レフ板ベストポジション。そして位置をキープしながらBGMをチェンジ。BGMはCabaretとNINE。


transitのイメージに合わせて悪天候を狙ったはいいんですが、前半は室内なので照明に苦戦しました。
光量が足りず、のっぺりしたものが何枚も産出。部屋が白かったので、外部ストロボ使えばよかったかなと。
しかしできるだけ自然にしたいのでできるだけストロボは使いたくない。手持ちの間接照明を使うべきか。
WBをあれこれ弄りながらあーでもないこーでもない。
物を撮るときはこっちの設定がいいのに、人を撮るときはこっちがいいと、とんだ我儘を見せてくれました。
調節をするたびに「休憩!」と号令をかけつつ、前半戦はなんとか終了。
途中少しだけ晴れ間がのぞき、そこを狙っての撮影となりました。
ポウリのドレスは8月の撮影後、分解してただの布きれに戻ったのですが、
これを幕代わりに使い木目を隠したり。
サンゴが入った小瓶は病気にかかり、よりサンゴらしくなっていました。



後半戦、電車ロケ。
撮影と掲載許可ありがとうございました。




衣装を何度もチェンジしながら撮影。コート着たり合羽着たり。どれも雰囲気に合ってたな。
ここで雨が強くなった来たため大喜び。これを狙っていた。
設定はAvからTvに切り替え、黒くつぶれないギリギリの暗さを狙いました。
ここまでスピード上げるとモノトーンに近くなるのか、と確認。
モノトーンの中で遠くの外套だけが明るくぼやけていたりと、とても良いロケーションでした。


今回リロイもんにはほとんど表情に関する指示を出していません。
自然にくるくると表情が変わるからすごい。不貞腐れたり微笑んだりにかっと笑ったり。
時折自嘲せよ、となるのはご愛敬。
撮影するこちら側をほっこりさせる子でした。流石嵐を巻き起こした伝説のアリス。
愛菜さんはテクニック+知識がとてもありがたかったです。
途中「メイクボックスちゃんと片付けなさい!」と怒られました。
愛菜さんが洗顔、基礎化粧、パックとするたびに1トーンずつ明るくなりリフトアップ。
洗面所で叫んだリロイもん。
今回ドクサからの期間が短かったためメイク合わせなしでしたが、
那須さんには見事にキャッチしていただきました。
アイメイクの紅葉、暖色系の組み合わせと引き締めのシルバー、マッチしてました。

またひとつ、世界の見方を変えた撮影でした。
モデル&スタッフの皆様お疲れ様でした。


花束が4つだったので、一人ひとつお持ち帰り。


愛菜さん→ポウリ
リロイもん→オクラドクサ
鉄→朧
私→魔女






2011.10.16.Sun
急遽プチ写真展なんぞをやってきました。



古民家の壁にパネル(前日夜作成)を並べてやりましたが、まず搬入時に困ったこと。
この古民家の壁にピンが刺さらない。
両面テープでなんとかくっつけましたが、落ちる落ちる。落ちてパネルがへこむ。

学芸員課程のことを思い出し、「150センチの高さに揃えるってやったよね。まさかあの資格がここで役に立つとは!」と言いながら飾る。
これ、フリです。
並べてみても、バランスが最悪におかしい。
向こうの方にすべてバランスを直していただき、尚且つピンでの止め方を教えていただきました。
そして照明も直接照明でひどかったのですが、レールで間接照明つけていだだきなんとか形になりました。
本当にありがとうございます。




そしてその後JUSEN美容室の先生にも来ていただき、ご指導をいただきました。
先生のお話を聞きながら、色々思い出し、「見せる」ということがどういうことか考えなおしました。
撮影と同じくらいライティングやセッティング、小道具大道具にこだわらないといけないことを痛感。

そして一般の方に見せるわけですから、厳しい意見もありへこんだりもしましたがよい刺激になりました。
一般受けはしないと思われる写真ですが、それでも多くの人に見てもらうのは良いことでした。


設営に関しては笑いがこみ上げるほどひどかったですが、観光課の方やスタッフの方、見に来ていただいた方など
色々な方とお話でき、次に繋げられたことがとても嬉しかったです。


今後の課題。というか今回の反省点。
写真は全紙か半切で印刷する。2Lもパネルにする。
設営には最低2時間かける。
セッティングについては設計図を描く。
撮影と同じくらい色々こだわる。
防寒対策と空腹対策。(ぜんざい奢っていただきありがとうございました。)




たくさん勉強になったということで、今回のプチ写真展成功としましょう!




2011.10.01.Sat
撮影第二弾「ドクサの女王」の撮影をしました。

今回はスタジオでの撮影だったのですが、広いようで狭いスペース。
さらにライティングに悩ませられながらの撮影となりました。
その結果・・・。

こんなかんじにアシスタントが写りこみました。恥すぎる。
アシスタント曰く「死にたい」「今度からは絶対黒の服を着る」。
アシスタントさえ写っていなければ写真集に載せていたでしょう。ええ。




今回のメイクはこんな風。ラインを使って帯状につけました。
無理難題をここまで完成させていただきました。那須さん本当にありがとうございます。



ストロボ使って遊んだり。ジッパーです。


撮影場所はこんな感じ。女王様は優雅に休憩中です。



こんな所にもヒエログリフが。
















シャッターチャンスは一度だけ。
泳いできてといったら泳いでくれたけど大切なものを忘れてきました。




ハプニングはあったものの本当に満足のいく撮影となりました。
携わってくださいました皆様、本当にありがとうございました。





2011.9.11.Sun
撮影第二弾「ドクサの女王」衣装&メイクあわせをしました。


衣装の簡単な着付け。
黒いマントの中からひらひらスケスケの衣装です。
トップスにはビキニのような型の布にヒップスカーフを巻いています。
本番はもっと過剰装飾。そして露出している部分にはヒエログリフと壁画をつけます。




*
今回ドクサ用に新しく要したつけまつげ。アイラッシュです。
その他のものは大体魔女と同じ。
ただしリキッドが少し少なめです。












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アイホールを緑で塗ったら黒帯作り。
定規をあてたがあまり上手く行かず、紙やメジャーをあてることになりそう。
ついでに、最初はシャドーで塗る予定でしたがどうしてもむらができてしまうので、アイライナーを乳液でぐりぐりのばして作ることになりました。












*
こうなる。怖い。
これだとちょっとマスクオブゾロになりそうなので、もうすこし帯の長さを短くします。
髪の毛があってもサイドの切れ目が見えるように。
















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ホラー。
ウィッグのカット前。ここから前髪と後ろの髪の毛をざくざく切りました。
本番が楽しみですね!










2011.8.12.Fri
日付は昨日(11日)となりますが、撮影第一弾「鳥籠のポウリ」と「煉獄の魔女」の撮影無事終了いたしました。

* まずは鳥籠のポウリ。
セイレーンのイメージで、優しいほんわかした雰囲気でとりました。


















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メイクはこんな感じ。とにかく透明感。
アイメイク…Elegance(ハイライト17、アイホール14・12、目尻16)。
下地、アイブロー、チーク、ハイライト、パウダーもすべてEleganceです。
ファンデーションはAPEX-i。

















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衣装はこんな感じ。すべて違う種類の白色の生地を3枚重ねています。


















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前半戦の勲章。蚊と戦ったあと。



















そして後半は煉獄の魔女の撮影です。

*
完全にサラギーナ版の魔女である。ウガー!


















*
メイク。今度は塗ったくってとにかくのっぺりと。
アイメイク…Elegance(ハイライト3、アイホール目尻14)
下地も色を変え、リキッドファンデを追加しています。


















*
衣装の後ろ。恐怖のコルセット。
下のスカートはパニエに薄い布を巻きつけてびりびりに。あと羽根をつけました。


















モデルの緋憐様、フラワーショップ花朝様、JUSEN美容室の皆様、アシスタントの鉄。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

お次は「ドクサの女王」です。緋憐ちゃんから央弥ちゃんにバトンパス!




コルセットとともに何かほかのものも解放した撮影終了後。
*






2011.7.9.Sat
本日は鳥籠のポウリと煉獄の魔女の衣装&ヘアメイク合わせでした。

* まずは煉獄の魔女の衣装を必死に着付けている写真をぺたり。
モデルの緋憐ちゃんとアシスタントの鉄曰く「着物の着付けなんてゆるゆる」。
とにかくコルセットをしめるしめる。
何度も「中世の女性ってすげぇ!」と叫びながら着付けていました。
魔女の衣装はコルセットのしめつけ感から、下半身のボリュームがとても良かったです。
ポウリはふわっとした感じ。ウェディングベールがとってもよかった。











そしてお次はJUSEN美容室にてメイクあわせ。


* * *
















とにかく「凄い」の一言。
那須さんが一筆一筆入れる度に頭の中のイメージが現実となって目の前にあらわれました。
イメージ通りで想像以上の美しさ。ずっと心臓がどきどきしていました。
緋憐ちゃんの目力や、雰囲気、そして私達のイメージを汲み取って形にしていただきました。
写真は真ん中がポウリで右が魔女で、まだ途中。
これを本番はもっとがっつりときめます。

多くの人達に支えられているこの「Transit」。
改めて作品に対する情熱と多くのご協力していただく皆様、そして応援してくださる皆様に感謝の念がわきました。


まずは緋憐ちゃん。
鳥籠のポウリと煉獄の魔女でトップバッターよろしくお願いします。
そしてJUSEN美容室の皆様、よろしくお願いいたします。




リップブラシを頭にさす那須チーフ。
*




2011.6.19.Sun
* 再び美容室JUSEN様のところにお邪魔しまして、打ち合わせに行ってきました。
今回は使用するメイク用品の決定です。
写真は鳥籠のポウリと煉獄の魔女で使用するメイク用品達。
これにあとチークとルージュが加わります。

ポウリも魔女も色を抜くんだけれども、ポウリは透明感のある色のなさ。
魔女は陶磁器のようにのっぺりとした色のなさ。
この違いを出していきたいと思います。




那須チーフのコンテスト用ウィッグとそれに隠れるヘアメイクアシスタントのトモさん。




2011.5.21.Sat
* 美容室JUSEN様のところにお邪魔しまして、打ち合わせに行ってきました。
写真は鳥籠のポウリに使用するウィッグとマネキンのジョナサン君。
このジョナサン君、実はチーフの那須さんのコンテスト用のマネキン。
ごめんなさい。

メイクもかなり明確にきまりました。
次は実際の絵コンテと一緒にメイクを試してみます。

鳥籠のポウリと煉獄の魔女は衣装も決定したので、これから制作に入ります。